上達に必要な『遊び』の要素

2019年05月23日 ジュニア

tennis093

子供が練習しているときに、『ふざける』ことを皆さんはどのように捉えるでしょうか?

日本では、子どもたちがふざけながら練習していることを、あまり良しとしない見方があるかもしれません。

私もそのように捉えていた時期もあり、『真面目に静かに取り組むことが大切だ』と考えていました。
しかし、今はもしかしたら違う場面も必要なのかもしれないと思っています。

 

それは個人的な次のような体験からでした。

私は昔から、練習は真面目に取り組まなくてはならないし、ボールはきちんと打たなければならない、と思っていました。
また、ストロークに置いて自分はどうしても、『力が抜けない』ことが悩みでした。

 

ある時、とても体が疲れていたときがありました。疲れてはいたのですが、少し一人で練習しようかな、と思いたち、それまでならば、きちんと練習に取り組むところでしたが、疲れていたので、『ものすごく適当に』ボールを打っていました。

例えるならば、子どもたちがふざけてボールを打つような感覚です。

 

すると、それまで感じたことのないような、楽にボールが飛び、スイングがスムーズに振り抜ける瞬間がありました。

そこで初めて、『力が抜ける』とはこういうことなのか、ということを思い知ったことがあります。
その体験から、2つのことを感じました。
まず1つは、しなやかな動き、というのは、どこか『適当な』捉え方が大事なのだということです。
体というのは、矯正され、緊張するとこわばり、動きが固くなります。
一方で、適当に楽にやろうとすると、動きはしなやかになっていきます。
しなやかに鋭いスイングを生み出すためには、実はこの『適当な』感じが大事なのだと思います。

 

2つめは、自分の中で意識して取り組んでみても、それは今までの自分の枠の中を超えず、その枠を超えるためには『遊び』の要素が必要となり、そうしたときにブレイクスルーしやすい、ということです。
たとえば、当時は私なりに、『力を抜く』ということをトライしていました。
しかしそれは、あくまで私なりの『力を抜く』です。私がどんなに私なりのやり方で力を抜こうとしてもその壁を破ることはできません。

しかし、その壁を破るためのポイントが、『遊び』の要素です。

 

今までの自分のやり方を超えるような遊びを体験する中で、これまでにない感覚を味わい、そこからインスピレーションを得ていくことができるわけです。
このような体験から、練習の中で『遊び』や『ふざける』といった意味合いが入ることは一概に否定することではない、と私が考えています。
(もちろん、過度なふざけや、目的がずれたふざけ、はよくありませんので、その点はよく注視して見極めなければなりません。)

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